[イベントレポート/後編] 読むことを哲学する時間 Re:cord『嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書』からはじまる〈比喩〉のはなし
2022年02月01日
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■後半 あなたの好きな比喩表現
後半は円になって、お互いの発表を聞きました。
テーマも決めずに「好きな比喩は?」と宙に投げた問いを、みなさん思い思いに考えてきてくださいました。
自己紹介と参加の動機も伺ってみたところ…、
「匂いやか」という言葉の奥深さ、感覚の話が聴きたいと思って。
老いの感覚がある。「嗅ぐ」といえば、週に一度珈琲をゆっくり淹れるのが楽しみ。
普段から自閉症の方と接している。色々な面から見てみたい。
比喩や自閉症の本に触れる中で「五行歌」のことを思った。
時間を持て余すようになって、本に触れ「言葉の力」を感じている。
新しいこと、本に出会いたくて。
といったお話がありました。
そして、ひとりひとり発表していただいた作品はこちら…
『生きるヒント』五木寛之
『十五歳の五行歌日記』井上大地
白泉の銃後俳句
『くじけないで』柴田トヨ
向田邦子さんの墓碑
良寛 辞世の句
「手袋をさがす」向田邦子
『i(アイ)』西加奈子
『月まで三キロ』伊与原新
『ぐっどいぶにんぐ』吉田篤弘
「しゃっくりり、、」朝吹真理子
五行歌のみずみずしさ、画が浮かぶような言葉、迫ってくる言葉や離れていく言葉、人生を探しているような表現、自分にも向けられていると感じるようだったり、人との関係にイメージを与えるような喩え、…
それぞれの「ある喩え」をきっかけに、生活の一コマが思い浮かぶように話されていたり、エピソードが連関的だったり飛躍するように掘り起こされていくことがとてもおもしろく、豊かでした。
時間がオーバーしてしまいましたが、発表のあとは、書き言葉で比喩表現についてのコメントを書いててもらいました。
言葉との関わりは、日々変わる。だからこそ、いくつになってもおもしろいですね。
ご参加のみなさま、貴重な時間をありがとうございました。
紹介作品が載っている本と、
この日のお話にあがった言葉から連想する本も集めて、ミニ特集も展示しています。
2月いっぱい展示しているので、お立ち寄りの際はぜひご覧くださいね。